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若宮 武

カンボジアの力

高3の春以来、セカンドハンドに関わってきて、店番、運搬、ニュースレターの発送といった「ボランティア活動」というものをやってきた。このボランティア活動の成果がカンボジアで実りつつある。小学校建設も二桁目に入った。というのは周知の事実だ。しかし、その事実が私には見えていなかった。自分が実際にカンボジアに入って、その事実を見たいと思った。これが、セカンドハンドのスタディーツアーに参加の第一の動機。

私は大学で開発環境学を専攻している。まだ二年間しか学習しておらず、それほど専門分野を限定しているわけではないが、大学での学習は私にとってとても有意義であり、知識と考える機会を提供してくれる。しかし、それも机上での話。自分が現地に入れば、どれほど刺激的な体験、学習ができるだろうかと思った。これが、第二の動機。

5月19日から6月12日までの約3週間のカンボジア滞在で最も強く感じたのは「カンボジアの力」だ。アングモントレイ小学校の建設現場やスヴァイリエンの職業訓練センターでのオープニングセレモニーでは、セカンドハンドの偉大さを見せ付けられた。いつもの地味な作業からは想像できないような、地域社会に大きな影響を与えるプロジェクトが行われている。こういったプロジェクトが私にとっては周知の事実であったが、本当の意味では見えていなかったものだ。しかし、この、セカンドハンドによるプロジェクトのすごさよりも、もっと、私にインパクトを与えたのが「カンボジアの力」だ。これは出国前にはあまり、予想も期待もしていなかったことだった。プノンペン市郊外のスラム、職業訓練センターの訓練候補生の家庭、ホームランド孤児院の子供たちの過去など、カンボジアの深刻で残酷な現実を直視した。この衝撃も大学の机上の勉強では味わえない。しかしこの現実に正面から立ち向かう、カンボジア人にたくさん出会った。いわゆる、「現地NGO」だ。現地NGOの元気さは大学でも学んでいて知ってはいたが、「救済者」である「NGO=先進国」という固定観念が自分の頭にあったことを初めて気づかされた。キムモムさん、シバナさん、マオランさん、そして彼女たちの周りでともに活動するスタッフや地域の人々。みんな、自分の仕事に誇りを感じている。「カンボジアの力」に気づかされた上で、セカンドハンドをはじめとする、いわゆる先進国の援助団体の役割というものを考えさせられた。特に、スヴァイリエンでほんの短時間ではあったがIVYのスタッフのお話を聞いたときだ。開発学では流行り言葉となっている「自助努力」、「自立支援」。大学の授業でもたびたび登場するこの文句が生きている現場に来れたことは大きい。

プノンペンを経て帰国の途に着く他のメンバーと私は5月28日に別れ、その後、私は毎日ホームランドに通い、子供たちと汗みどろになって遊びつつ(遊ばれつつ?) 、フォスターペアレントへの報告書のフォーマット作成、写真・ビデオ撮影などを約2週間にわたって行ってきた。2週間いたからこそ、いろんなスタッフといろんな話ができたし、子供たちの一様でない表情も見てこれた、ほんの一部に過ぎないのだろうが。現地NGOであるこの孤児院と、オーストラリアやオランダなどの援助団体との関係といった世界的な面から、子供たちの昼寝の風景まで。自分の目の前で汗だくになって、大声張り上げてサッカーをしている男の子が、ほんの数年前までタイで物乞いをしていたという聞きたくない事実も聞いた。自分が現地NGOの中でほんの2週間ではあるが活動したことは本当に貴重な経験となった。開発問題やプロジェクトを外から見て学んできた、その視点が変わった。

今回のスタディーツアーがまさに勉強であったなと、ツアー中も毎日感じたし、帰国後もやはりそう思う。大学では学べないことをこのツアーで学んだが、だからといって大学での勉強が無駄だとか、空虚だとは思わない。むしろ、大学でももっと時間をかけて学ぶべきことが多いように再認識した。また、セカンドハンドでの普段のボランティア活動に対する意識も変わっただろう。カンボジアはそう遠い国ではない。またカンボジアの力を感じるために、行ってみようと思う。

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